2‐2‐2 知識変換の四つのプロセス
SECI(セキ)モデル

 

 組織における知識の創造は暗黙知と形式知の総合作用により行われ、しかもそこには四つの知識変換プロセスがある、という考え方がSECI(セキ)モデルである。 「SECI」は四つのプロセスの英語の頭文字を取ったものである。

  この理論では、知識は主観的で言語化や表現が困難な「暗黙知」と、言語や図形などに表現された客観的な「形式知」との間の相互作用から創造されると考える。この知識創造は、四つの知識変換プロセスを通じて、暗黙知と形式知の二つの知識間の変換によって行なわれる。

 

1. 共同化 (Socialization)‥個人の暗黙知からグループの暗黙知を創造する。
 個人や集団が経験を共有することにより、知識を伝授し獲得するプロセスである。身体や五感を駆使し、直接経験から他人の暗黙知を共有化する。弟子が親方から、言葉によらずに観察、模倣、練習により技能を学ぶのがこれに当たる。

 

 2. 表出化 (Externalization)‥暗黙知から形式知を創造する。
得られた暗黙知を形式知に変換するプロセスを表出化と呼ぶ。
ここでは個人や集団の暗黙知が共有され、統合され、その上で新たな知識(形式知)が生み出される。熟練者のノウハウを言語化したり、顧客の暗黙のニーズを顕在化させることがこれに当たる。

 

 3. 連結化 (Combination)‥形式知から個別の体系的な形式知を創造する。
個人や集団が形式知同士を組み合わせて新たな形式知を作るプロセスである。ドキュメント、仕様書、提案書、データーベースなど形式化された知識を分類、加工、編集、分析することにより得られる新たな形式知である。

 

 4. 内面化 (Internalization)‥形式知から暗黙知を創造する。
個人が形式知をもとに行動し、実践し、
学習することにより暗黙知を得るプロセスである。
たとえば連結化によって作成されたマニュアル(形式知)をもとに行動を起こすことにより、経験や学習を新たな暗黙知が得られる。
知識は個人の暗黙知からスタートするが、
SECIモデルの四つの知識変換プロセスを通してより組織的に増幅され、
より高いレベルで形式化される。

それがまた内面化により個人の暗黙知となるという、
たとえ間もなく循環するプロセスにより創造される。
このプロセスを「知識創造スパイラル」と呼ぶ。

 

 

2‐2‐1暗黙知と形式知
2‐2‐2知識変換の4プロセス SECIモデル
2‐2‐3知識創造の3つの特徴
2‐2‐4知識コラボレーション
2‐2‐5知識市場